リノベーション工事をワンストップで行うワーキングスタイルです。弊社には分業になりがちな数種類の工事を一人でこなせる「多能工」が何人も在籍しています。一つの現場に複数の職人が出たり入ったりすることなく、最低限の人数で効率良く工事を進めることができるのでコストの削減にも繋がります。
今回は、この「多能工」を目指す女性職人天野にインタビューをしました。弊社コラムではお馴染み(!?)の彼女ですが、この春新たな技術を学ぶべく研修施設で一カ月みっちりと学び、現場に戻った今はますますパワーアップしています。研修施設のこと、そしてワーキングスタイルでの現在とこれからについて語ってもらいました!
今年の春に研修施設に行かれたとのこと。行くことになった経緯は?
ワーキングスタイルに入社してから一年以上たちますが、実は正式に技術を学んだことがないということが気になっていました。早い段階から実践的にいろいろとやらせてもらっていたのですが、見よう見まねで先輩の真似をしていただけなんですね。それでも何となく形にはなっていたので、そのままずるずるきてしまった感じです.。でも、今後もずっとこの仕事を続けていくことを感がると、やはり一度はきちんと学んだ方がいいのではと思い、研修施設で集中して技術を覚えようとなったのです。
研修施設での生活はどうでしたか?
一カ月間、濃密でした(笑)私以外にも他の会社から何人も来ていて、同じタイミングで一斉にスタートします。同志のような連帯感がありますね。女性もいましたよ。業界が変わってきていることを感じますね。朝礼に始まり日中はみっちりと指導を受けます。夕方18:00には終わるので、夜は比較的自由に過ごすことができますね。夕食はそれぞれなのですが、バーベキューをやる日もあったり誰かと一緒に食べたりする日もあります。部屋はもちろん個室なのでプライベートは確保されています。日中はそれぞれに集中して取り組んでいるので、夜はみんなリラックスしていますね。共有スペースにはビリヤードやカラオケ、ゲームなどもあるのでかなり恵まれていると思いますよ。
指導内容はどのようなものでしたか?
カリキュラムがしっかりしているので成長を実感できます。習得度を確かめるためのテストが毎日のようにあるので、それをクリアしないと先に進めないようになっています。できるまで何度もやり直しをさせられたり、同じスタートを切った他の人が先に進んでいたりと、精神的になかなかプレッシャーはありますね。しかし、指導はとても手厚く講師の方々もびっくりするくらいやさしいです!親身になって教えてくれますし、どこまでも丁寧に併走してくれます。指導項目が細かく分かれているので自分が苦手とする作業がわかるだけではなく、何ができるようになったのかもわかるのがいいですね。
辛かったことは?楽しかったことは?
辛かったことは、やはりテストをスムーズにクリアできなかった時ですね。私の場合、同じところで何度もテストで落ちてしまって凹みました。ああ、またかって(笑)でも、先生もできるようになるまで根気強く何度も指導しくれて、周りに支えられながら成長することができました。漠然と学ぶのではなく、階段を上るように目に見えて成長の道筋がわかるので目標を立てやすいです。
楽しかったことは全部です!研修施設は学びの場なので、失敗してもやり直せばいいだけなのですごく守られた環境ですね。実際の仕事の中での学びになってしまうと、失敗はそのまま損失に繋がるのでそうもいかないです。お給料まで出て心置きなく失敗までできるというなんとも贅沢な環境です。そして、方々から職人が来ているので、彼らとの関りも新鮮でした。会社が違うと同じ技術でも考え方ややり方が違うので、そういうことを知るのもまた面白かったです。
研修施設での一番の収穫は?
ひとつひとつの動きの“わけ”がわかったことですね。今までは本当に理由もわからずにただ手を動かしていたのですが、研修施設でそれらの意味を知ることになりました。そうなると全然違いますよ。職人の仕事は手仕事なので、頭の中で起っていることが手の動きに直結します。わけもわからずに迷いのある中で手を動かしていると仕上がりにも影響します。今では「この動きはこういうことなんだな」と納得しながらやっていますよ。
塗装だけではなくクロスにも挑戦したということですが、多能工を目指す理由はなんですか?
ワーキングスタイルの姿勢でもあるのですが、私は複数の技術を持つ多能工を目指しています。弊社はマンションのリノベーションを多く請け負っていますが、新築と違って住んでいる状態のところに工事に入るので、できるだけ少人数で短い期間で終わらせる方がいいですよね。壁、床、什器と別々の業者が入っていたら落ち着かないと思います。そこで多能工なのです。複数の技術を一人の職人が持っていると、このようなことにはなりません。
私は主婦でもあるので、生活者目線でお客様の求めている工事業者との関わり方も想像できます。これらのことがあって、私も多能工として複数の技術を身に付けていくべきだと思いました。まだ入社して1年ちょっとなので、まずは壁を極めようと思い塗装とクロスの両方を学ぼうと思いました。
ご家庭との両立はどのようにやっていますか?
両立というよりも、全面的に家族の協力のもとやっているという状態ですね。幸いにも子供たちはもう大きく(社会人の息子さんと高2の娘さん)、それほど手がかからないので遅くなってもそれほどお互いに困ることはありません。普段は特に問題はないのですが、研修施設に一カ月行くことになったときはさすがに申し訳ないと思いましたね。実母が近くに住んでいるので、何かあったら頼るように言っておきました。二人とも快く送り出してくれたので、本当にありがたかったです。家族にはいつも感謝ですね。
ワーキングスタイルで実現したい夢はありますか?
職人の道は先が長いので、一年ちょっとしか経験のない自分はまだまだだと思います。今回も道場に行ってきたとはいえ、周りから見たら「どこが成長したの?」って思われるくらい微々たる変化かもしれません。自分にとっては大きな進歩でも、職人としての成長はこれからだと思います。とにかく今は目の前の仕事をひとつひとつこなし、少しでも戦力になれるように技術を磨くだけです。今回は塗装とクロスを学んだのですが、これらを実践でも経験を積んで、自分でも納得のいくものになったら他の技術にも挑戦していきたいですね。まだ先があるかと思うと楽しみです。